人気ブログランキング | 話題のタグを見る

CRIMIEやfuct等のストリートファッション通販|thugrise|ブログ

thugrise.exblog.jp ブログトップ

FUCT USA!!!

RAGING BULL CIUDAD JUAREZ MEXICO

いよいよ来週よりFUCT USAよりSUMMERラインが立ち上がります。このラインについては、実にアメリカ側といろんな会話がかわされました。ご存知の通り、FUCTのグラフィクは90年代初期からエッジの効いたメッセージとしてアメリカだけではなく、全世界の若者に大変支持され、今に至っていると思います。 代理店としての僕らからみた場合、今の日本市場においては、言語やカルチャー環境の違いによって、グラフィックの意味、今のアメリカの実情よりも見た目が重要視される傾向があり。ここで、グラフィックの意味や、ラインのテーマについて通訳する必要性がブランドとして非常に大切だと思い、今回アメリカ側と一緒にラインの説明を一緒に作業をさせていただきました。ラインを立ち上がる前にこのブログを通して紹介させていただくことになりました。
FUCT USA!!!_e0297245_174756.jpg
FUCT USA!!!_e0297245_1743979.jpg
FUCT USA!!!_e0297245_1745149.jpg
FUCT USA!!!_e0297245_175637.jpg
FUCT USA!!!_e0297245_1751812.jpg
FUCT USA!!!_e0297245_1752982.jpg
FUCT USA!!!_e0297245_1754168.jpg
FUCT USA!!!_e0297245_176368.jpg
FUCT USA!!!_e0297245_1761687.jpg
FUCT USA!!!_e0297245_1763253.jpg
FUCT USA!!!_e0297245_1764269.jpg
FUCT USA!!!_e0297245_1765653.jpg
FUCT USA!!!_e0297245_1772888.jpg
FUCT USA!!!_e0297245_177396.jpg
FUCT USA!!!_e0297245_1774937.jpg
FUCT USA!!!_e0297245_178091.jpg
FUCT USA!!!_e0297245_1781142.jpg
FUCT USA!!!_e0297245_1782393.jpg

シウダー・フアレス(Ciudad Juarez)。今回のテーマとして選ばれたこの街は、アメリカ・エルパソから国境を越えてすぐのメキシコ・チワワ州の街です。アメリカ人が「戦争地帯を除くと世界で最も危険な都市」と恐れる街。しかし、以前はそんな街ではありませんでした。
 かつてのフアレスは、エルパソの10代の若者たちにとって、橋を渡って10分も歩けば未成年でも酒が飲めて、ホームパーティなんかよりも派手に騒げるところだったのです。赤線で遊ぶもよし、友達と普通に遊ぶもよし。フアレスはエキサイティングな街でこそあれ、本当の危険を感じるような場所ではありませんでした。それがアメリカ、メキシコのドラッグ戦争によって、かつてのフアレスの面影はもはやありません。
 '90年代半ば、コロンビア産のコカインがコロンビアの海岸からカリブ海を経由してマイアミに送られ、そこからアメリカ全土に広がっていきました。それがパブロ・エスコバルの死とDEA(アメリカの麻薬取締局)による密輸ネットワークの摘発によって、すべてが変わりました。コロンビアの麻薬カルテルとアメリカの橋渡しをしていたメキシコの麻薬カルテルの重要性が浮上。彼らのシマであった密輸ルート(通称「プラザ」)は、突如、数十億ドルもの価値を持つことになりました。そして2006年、新しく選ばれたフェリペ・カルデロン大統領が、麻薬カルテルによる暴力を終わらせるために軍隊を動員したことで、メキシコ北部のほぼ全地域が戦争地帯と化しました。その中で最も危険地帯だったのがフアレスでした。
 アメリカの玄関口ということで、フアレスはドラッグ・ルートを仕切る昔からのファミリーにとってはドル箱でした。フアレスは国境に位置するドラッグのルートとしてティワナ以上のルートになりました。その結果、メキシコで最も価値のあるこの「プラザ」を巡ってメキシコの麻薬カルテル間の戦争が始まります。
 2011年にこの戦争はピークを迎えます。殺人件数が1日平均13人を記録したフアレスは、世界最大の殺人の街となります。集団殺人、公開処刑、橋に吊るされた死体、敵対するギャングに対して「出て行け」との警告が書かれた死人の頭。街の住人は恐れをなし、警察は役に立ちませんでした。軍隊も彼らを救済するどころか、横行する人権の蹂躙を認めるだけに留まり、麻薬カルテルによる暴力をさらに助長する結果となりました。
 アメリカ合衆国はほとんど手を下しませんでした。自国のドラッグ大量消費と容易な武器調達を背景に、アメリカはこの抗争に火を注ぐだけでなく、ATF(アメリカ司法省のアルコールたばこ火器爆発物取締局)が実行した "Fast and Furious" 作戦で、アメリカの武器がメキシコの麻薬カルテルに提供されていたことが明らかになりました。元々は銃を売ってその後を追い、銃の最終使用者の場所を突き止めて麻薬組織を摘発する、という作戦だったはずが、結果として何千丁もの武器が紛失し、それがメキシコ中の殺人現場で使われることになったのです。
 2012年になると、フアレスの抗争は落ち着いたかのように見えました。噂によれば、メキシコ最大の組織であるシナロア・カルテルが「プラザ」を獲得したとのことでした。さらに大きな噂として、エンリケ・ペーニャ・ニエト次期大統領がシナロア・カルテルとの裏取引により抗争を収めたという話もありました。殺人件数の減少(現在は1日平均4人)にも関わらず、フアレスは今も最も危険な地帯として恐れられています。公共の場での銃撃はまだ日常茶飯事のことで、殺人件数もいまだに世界で最大。150万人の市民は今も非常に緊迫した状況の中で生きているのです。
 このシーズンで、私たちはシウダー・フアレスの二面性を見せたいと思っています。一方では、暴力とドラッグ、不法移民として悪名高い街。そしてもう一方では、普通の人々が普通に暮らしている街。皮肉っぽいものもあれば、ダークなものもありますが、すべてはこの街の日常生活を映し出したものです。
 このルックブックの撮影は、危険な場所、危険な状況の中で行われました。一方で、私たちはここに住む普通の人々も撮影しています。彼らは、私たちがこの街に来た目的が、殺人や暴力のストーリーの取材でもなければ、ドラッグや酒を買うためでもなく、ただ単に普通の人々の生活を記録し、少しでも楽しい時を過ごすことであると知って、驚き、少し感動していたようです。この街を去る時、私たちは非常に興奮していました。私たちが出会った人々も同じような気持ちを抱いていてくれたらと思います。
 私たちはこのフアレスにオマージュを捧げたいと思います。この美しくも悲しい街の置かれた状況、そして美しい国メキシコが置かれたこの状況に、アメリカ人も大きな責任を負っていることを知ってもらいたいのです。
 Nos vemos pronto Juarez,(フアレスよ、また会おう)

FUCT USA!!!_e0297245_17101380.jpg


→ Thugrise(サグライズ)オンラインショップはこちら ←
by thugrise | 2013-06-05 17:11 | 日常

CRIMIE(クライミー)やfuct(ファクト)等のストリートファッション通販、滋賀県「thugrise(サグライズ)」の新着情報やSALE情報、日常など。


by Thug Rise
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite